象牙作品を買い取るにあたっての勉強のために、伊豆にある象牙美術館に行ってきました。
『伊豆高原 象牙と石の彫刻美術館 ~ジュエルピア~』という名称の美術館です。
展示のメインは、象牙彫刻の数々の見事な彫刻作品です。
まずは、『天球』と呼ばれる象牙の透かし彫りになった多層球の置物を見学しました。
わたくしたちリサイクルBOXでも、過去に何度か象牙多層彫刻作品を買取させていただいたことはありましたが、こちらに展示されているような秀逸な作品はいまだかつて目にしたことがありませんでした。
『天球』と呼ばれる多層球の作品は、外球から内球に向けて何重にも重なり回転できる球体です。
どこにもつなぎ目などはなく、完全に掘り出して作り出されています。
層の数は多いもので50を超えるものも存在するのです。
20層を超える作品などは、制作には職人生涯をかけて行うそうです。
なかには、親子2世代にわたって制作されている作品もあるんです。
制作に携わる様に想像を巡らせると、鳥肌がたつほど…まさに想像を絶するほどの時間と労力そして技を注ぎ込んだ作品であることに驚かされます。
続いては、『龍神屋形船』のブースへ移動しました。
こちらは恐ろしく繊細で細かな彫刻が施された超微彫刻の作品です。
船につけられている窓や扉は全て可動式で、実際に開閉することが出来るのです。
屋形船の内部は、一つ一つの部屋で構成されていて、そこにはテーブルや椅子そしてシャンデリアなども細かに設置されています。
また、たくさんの人物が船上に配置されているのですが、これまた繊細です。
大人や子供、そして本を読む人や会話を楽しむ人や手を取り合っている人等々…
動きがあり、大変にぎやかな感じが伝わってきます。
そして、船に欠かせない船尾にある舵には、なお一層繊細な透かし彫りが施されております。
まるでレース編みのような均一で可憐な細工です。
船全体が龍を模しているこの『龍神屋形船』の船首にある龍の頭からは錨が鎖で繋がれているのですが、この鎖がつなぎ目の一切ない、象牙一本から削り出して作られているということです。
何処も彼処も、少しのミスも許されない気の遠くなるような技が発揮されています。
もう一つ、『天神戦』をご案内します。
こちらは、三国志の中の一戦である長坂の戦いを模した作品となっています。
曹操軍の武将と主君の跡取り息子である『阿斗』を抱きかかえた趙雲の図が描かれています。
驚くべきは、その人物の表情表現にあります。
曹操軍の武将や趙雲の表情は、双方絶対に負けないとする決死の形相
それに対し、『阿斗』は戦とは何ら関係のない朗らかな笑顔
戦に赤ん坊は無関係であることを訴えかけた作品となっています。
当美術館には、象牙以外にも『採石象嵌屏風』や『翡翠彫刻』等、そのほかにも秀逸な作品が数多く展示されております。
リサイクルBOXでは、象牙作品・象牙製品の買取に力を入れております。
各種象牙原木、各種象牙彫刻、象牙根付、象牙アクセサリー、象牙筆筒等々
どんな作品でも、まずは一度ご相談をお待ちしております。